連続ドラマW 東野圭吾 分身 2012

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分身連続ドラマW 東野圭吾 分身 2012

監督: 永田琴
出演: 長澤まさみ, 勝地涼, 前田公輝, 上白石萌歌, 鈴木砂羽

氏家鞠子が中学生の頃に、彼女の母が父と自分に睡眠薬を飲ませて一家心中を図った。しかし父と自分は助かり母だけが死んだ。
彼女は幼い頃から、自分が父とも母とも似ていなくて、母が自分を愛していないんじゃないかと思っていた。
テレビに映った大学生のバンドのヴォーカルの女性が氏家鞠子とそっくりだったこと。そしてそれを見た政治家の伊原駿策が驚いた。そして物語が動き出す。
年の違う瓜二つの娘の秘密はなんなのか。

この話に隠された秘密は、母の自殺の原因と真相。二人がクローンであること。そして最大の秘密は、母の愛である。
氏家鞠子と小林双葉は、オリジナルである高城晶子と会う。彼女からは二人に対して侮辱に近い言葉しかしもらえなかった。
彼女たちの生い立ちを知れば、そこには、代理母となった小林志保や氏家静恵の子供に対する愛情があったのである。
そして落とし所は、オリジナルの高城晶子は子供の産めない体だったが、小林双葉は妊娠して子供がすくすく育っていることである。

クローンを扱ったミステリードラマとしては面白い。しかし残念ながら作者はあまりクローン技術を理解していない。卵子だけでは、クローンは作れない。
クローン作成法の標準となっているホノルル法は、1998年に若山照彦らは、細胞融合を行わず、卵子の核を除去した卵子に体細胞を直接注入することによりクローン個体を作製する技術である。
これを題材にしてこの小説はできていると思うんだが。高城晶子のコピーを作るには、彼女の卵子ではなくて体細胞があればいいのである。卵子は誰でもいいはず。つまり卵子から核を抜いて高城晶子の体細胞の体細胞を直接注入することである。
高城晶子の卵子だけでは、減数分裂しているので染色体は半分になっているの高城晶子のコピーは卵子一つからでは作れない。
そして氏家の妻に卵子を入れるにしても、かなり用意周到に行わななければいけない。つまり保存してあった卵子に高城晶子の完全な体細胞が入っている(または体細胞の核が入っている)のが条件である。
だからそうした処理後に凍結保存されていたのならその可能性はあるんだが。

それとどうして氏家鞠子や小林双葉の卵子が必要なのかわからない。伊原のクローンは免疫不全で死んでしまった。つまりクローンを作るには乗り越える障害がいっぱいあったのだろう。しかし氏家鞠子や小林双葉は健康に育っている。
科学的には考えられないのだが。高城晶子の卵子の細胞質が素晴らしくてクローンができやすいものだったと言うことだろうか。だから氏家鞠子や小林双葉の卵子が貴重であると言うことか。あまり現実的ではない。
まだまだ健全なクローン動物を作るには未知なものがたくさんある。
美味しそうなウニをたべて、クローン技術の逸話を話すところは面白かった。

あまり氏家鞠子や小林双葉の行動にはあまり緊張感がなくてすこしがっかり。もう少しスリルとサスペンスがあったほうがよかった。ただ、長澤まさみらしい演技で安心感があるドラマだった。
長澤まさみがバンド歌手として歌っているのもまたいい。意外と歌うまいね。

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