青春の門 自立篇 1982

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青春の門 自立篇青春の門 自立篇 1982

監督: 蔵原惟繕
原作: 五木寛之
出演: 桃井かおり, 佐藤浩市, 杉田かおる, 渡瀬恒彦

伊吹信介が上京して早稲田に入ってからの、学生運動、赤線地帯、牧織江との関係が描かれている。
伊吹信介は意外とやわな心を持ったヒーローである。親父譲りなのか、ヤクザの中でそだったのか度胸だけはある。でも迷える若者である。
信介と織江の関係は、現代的な感じでは理解できないかも。
自分の広がりある未来に期待をする信介は、すぐに織江と一緒になることはできなかった。織江といるとダメになると言うのは、なぜか言い訳にしか聞こえない。
織江のことが好きであるが、まだまだ他の女性にも魅力を感じているのである。織江は一途に信介のことが好きであるが、自分の運命を諦めているように思える。青線で働いたりもしている。
信介と織江との行き違いが、どんどん織江を不幸にしているようにも思える。ただ信介も織江を捨てるわけではないのであるが。この映画の最後は、牧織江が歌のレッスンを受けると言う設定になっている。

売血、ロシア文学の芝居どん底、歌声喫茶、そして戦後の東京の売春地区の話がある。新宿二丁目に赤線地帯があり、池袋の青線、そして深川洲崎弁天町が出てくる。昭和初期の売春地区である。
学生運動も安保でなくて、もっと前の米軍基地の拡充の反対運動だ。
演劇部の緒方は、こういう大学の先輩は昔はよくいそうである。金にだらしなく、後輩に優しそうで、悪い遊びに誘い込むのが得意そうだ。
とくに新宿二丁目の遊び方を信介に教えるのは、確かにと思ってしまう。
ボクシングもこの頃、注目のプロスポーツだった。
ピンポン球を最後まで見続けるという石井講師の特別なトレーニング法は、動体視力と瞬きをせずに最後まで見ることができる力を養うのだが。
これからの物語にとって、度胸のある信介が喧嘩に強くなっていなくてはいけないので必要な話なのかも。

石井とカオルの心中事件は、大人の恋のようにも感じられるのかもしれない。運命の二人、 それは伊吹重蔵とタエであるし、石井とカオルである。
そして信介と織江もそうだと言っているようにこの映画では締めくくられている。

桃井かおりのカオルがなかなか魅力的である。佐藤浩市は悩める学生を熱演している。杉田かおるは本当に田舎から出てきた娘である。歌はうまい。
渡瀬恒彦は、前の映画で金山を演じていたのに、今回はなぜかボクシングのコーチ石井になっている。演技は安定しているのでいいんだが。ちょっと不思議。
萬屋錦之介の二木と加賀まりこのおえいはゲスト出演というところだ。

この自立編は映画で見ても受けが悪いのだろう。伊吹信介の方向性がまだ決まっていない。学生生活にどっぷり使っているだけだから。小説では、なんだか昔の大学生を見て青春を感じるんだが。
この自立編も小説で読んだが、なるほど大学生活はこんな風なんだと思った気がする。
映画的にはこれでも小説よりは、起承転結をつけたように見えるがそれでも退屈に思えるところが多いかもしれない。

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