Hannibal ハンニバル 2013 TV Series

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Hannibal ハンニバル 2013 TV Series

トマス・ハリスのレッド・ドラゴンを原作にしている。
オープニングの影像がすばらしい液体を使ったCGは本当に素晴らしい。
ライティングも素晴らしく、モダンで不気味なドラマに仕上がっている。
レクターの料理場面には、視聴者はこれが人肉だろうと思わせるが、知らない登場人物は美味しそうに食べている。これが一番このドラマの面白いところだろう。それも料理が凝れば凝るほど。こういうところはブラック・ユーモアの極みだろう。

レクターが肺をさばくところは、おそらく豚を使っているんだろうが。やっぱりゾックとしてしまう。そしてレクターが料理して繰り広げられる響宴はまた美しくもあるがそこが不気味さを一層引き立たせている。

用意周到に犯罪が起こるのだが、質の高い心理戦、ふんだんに起こる猟奇殺人事件、レクターと他の捜査官と駆け引きなど羊たちの沈黙のファンたちを裏切らないでき上がりである。それにしても猟奇事件が多すぎるが。

レクターの深い綿密な企みと大胆な犯行がどんどん加速して行くところが非常に面白い。自分の正体を知った人間はすべて殺していく。
このストーリーの作り方の巧みなところは、二つの事象(一つは殺人事件などでもう一つはクロフォードや、ウィルの精神面)を比較しながら、二つの関連性を描写していくところである。脳腫瘍患者の心理分析とジャック・クロフォードの肺がんを患った妻の精神状態、ギディオンを操るチルトンと、ウィルを操るレクターの比較など。

シーズン通して見ているとウィルの狂気にとりこまれてしまう。それにしてもレクターは、巧妙にウィルを狂気の世界に追いやっている。そしてウィルの家の犬を飼いならして巧妙な罠を作っていた。それにしてもウィルはどうし脳炎になったのだろう。レクターが企んだのか?自己免疫性の脳炎で大脳半球だけが最初に侵されるのは珍しいが。この病気の進展がこのドラマの鍵を握っている。
生きたままシカの角に刺すことと残虐性と、大きく黒い大きな鹿がウィル・グレアムの前に何度も現れてくるが、これが凶悪な残虐性の強いレクターのイメージであることは後半になって分かる。

音響の演出もすごい。バックにかかるピアノの曲はショパンのノクターン(Nocturne for piano in C sharp minor, KK Anh.Ia/6)などで控えめな音響効果であるが、非常に功果がある。最初のオープニングは、ピンク・フロイドを思い出すんだが、資料にはそう書いていないんだが。

シーズン1は、すべての犯行が最後に絡んでくるため、しっかりとストーリーを覚えていた方がよい。

疑問は、
まずは、どうしてMinnesota Shrike(ミネソタもず)である、ガレット・ホッブスにレクターが電話をしたんだろう。確かにウィルは危険な犯人逮捕に巻き込まれるが、仮にウィルが殺されてもレクターが電話をしたことがわかれば危険に陥るのに。

なぜレクターは、Minnesota Shrikeの真似をして自分の殺人を披露したのだろう。ガレット・ホッブスと以前から関係があったんだろうか。連続猟奇殺人事件として注目されるのは当たり前なのだが。ガレット・ホッブスも被害者の少女の肉を食べていたようだが、レクターはいつから食べていたんだろう?その後の殺人は、その罪をウィルに着せようとして仕組んでいるのはわかるんだが。

事件サイトを運営しているフレディーは、レクターとどんなつながりができたのだろうか。アビゲイルにウィルが父を殺したと話しているのは、レクターの指示で動いているはずだが。ただ次第にレクターの正体に疑いを持つと思うんだが。

レクターのカウンセラー デュ・モーリエ とレクターの関係がわからない。彼らの会話はかなり難解である。やっと最後になって、デュ・モーリエは、レクターが紹介した患者に襲われ命を奪われる寸前にレクターが救ったこと。そしてデュ・モーリエにしゃべっている内容は明らかにデュ・モーリエを操作して、クロフォードに有利な証言をさせるようにしていることがわかる。


レクターとウィルの戦いは非常におもしろいが、レクターがもっと賢いなら事件とは別で犯罪を繰り返した方が、捕まらなかったと思うんだが。ウィルを恐れて罠にはめようとして深みにはまってしまったか。確かにウィルのMinnesota Shrikeのコピーキャットの分析を聞いてレクターはウィルが危険と感じたんだろうが。

それにしても最後にウィルはレクターの正体がわかった第二シーズンが楽しみである。


ヒュー・ダンシーが演じるウィル・グレアムは非常に個性的で、特に緊張時に現れる顔の表情がとても面白い。
マッツ・ミケルセンが演じるハンニバル・レクターは、知的で、ニヒルでアンソニー・ホプキンスが演じたレクターよりもより原作のイメージに近いかもしれない。レクターのカウンセリングをしている女医のデュ・モーリエは、Xファイルのスカリーを演じたジリアン・アンダーソンだ。


シーズン1では「アペリティフ(食前酒)」、「アミューズ・ブーシュ」「ポタージュ」、「ソルベ」など、フランス料理のコースの名前がサブタイトルになっている。

シーズン2では "Kaiseki"(懐石)、"Sakizuke"(先付け)、"Hassun"(八寸)、"Mukozuke"(向付け)、"Su-zakana"(酢魚)、"Ko- No Mono"(香の物)など、日本料理の懐石の流れがサブタイトルになっている。

1.Aperitif
Minensota Shrikeという若い女性をねらう連続殺人犯の捜査に、ジャック・クロフォードはウィル・グラハムを抜擢する。ウィルには、殺人現場を見ることで、犯人の心理と共感する特殊な能力があった。ウィルの心理的不安定さと連続達人の捜査のために、有名な心理学のハンニバル・レクター博士にコンサルトを頼む。

2.Amuse-Bouche
生きたまま埋めて真菌を栽培する犯罪者の捜査。レクターは、3面記事を扱うフレディー・ラウンドと面識を得る。

3.Potage
アビゲイルの証言を得るために、ウィルとレクターは彼女と共に彼女の家に戻り、そして父が使っていた狩猟小屋を訪れる。そこにはアビゲイルの友人が無残にも鹿の角に刺された姿で飾られていた。

4.Ceuf
シリーズの第4作はアメリカでは放映されなかった。この話は刺激が強すぎるからだろうか。誘拐された子供が帰ってくる。しかし家族を全て殺すために。これは衝撃的でダメだったんだろう。

5.Coquilles
脳腫瘍を患った殺人者。ウィルの夢遊病の症状が出はじめる。
クロフォードとその妻を夕食に招待したレクターは、妻の病気について勘づく。そしてがん患者の気持ちをレクターは分析する。レクターは、少しづつクロフォードに信頼感を得ながらウィルとクロフォードの仲に溝を作ろうとする。

6.Entrée
Chesapeake Ripperの名前がやっと出てくる。精神病院に収監されている犯罪者のギディオン(元外科医)が看護師を殺し、Chesapeake Ripperだと名乗る。

7.Sorbet
ホテルの一室で腎臓を切り取られた死体が発見される。
同時にクロフォードに以前の部下ミリアムから電話がくる。彼女の死体は見つかっていないが、Chesapeake Ripperに殺されたと考えられて居た。

8.Fromage
ウィルに幻聴が起き始める。
トロンボーン奏者殺して、チェロに見立てる殺人者トバイアス。実は人を殺して弦を作っていた。彼は、レクターの正体を知っていた。そしてウィルにトバイアスの捜索に行かせるのが。

9.Trou Normand
ジグゾーバズルのような死体のトーテムポール。
そしてアビゲイルが殺し、レクターが隠したはずのニコラス・ボイルの死体が出てくる。実はアビゲイル自身が死体を掘り起こしていたのだが。
ついにアビゲイルはレクターに自分が父を手伝っていたことを語る。

10.Buffet Froid
ウィルの精神状態がおかしいため、レクターはチェックのため、ウィルに時計の絵を描かせる。レクターは知り合いの神経科医サトクリフを紹介する。ウィルは口を大きく切り裂いて殺す殺人者ジョージアに出会う。彼女は人の顔が認識できない。
MRIの再検中にサトクリフは殺される。ジョージアはレクターが殺しているところを目撃するのだが、誰かわからない。

11.Rôti
ギディオンを担当している精神科医のチルトン医師はレクターに食事に招かれる。そこで彼は、チルトンがギディオンに暗示をかけてChesapeake Ripperにさせたことを言い当てる。そうした精神操作は本人が気づかないようにやらないと、必ずしっぺ返しがあると予言する。そして暗に、自分はウィルに気づかれずに彼を操っていることをしめしている。ウィルは、次第に脳炎の症状が強くなり、精神状態が不安定になる。そのウィルをレクターが巧みに操り、ギディオンをウィルに殺させる。

12.Relevés
意識を失ったウィルは病院に入院し、そこに入院していたジョージアに会いに行く。彼女は高濃度酸素室に入っていた。何者かが、ジョージアの高濃度酸素室にセルロイドの櫛を入れる。彼女はその櫛で髪をとくと、静電気から炎が生じて彼女は全身炎に包まれる。
ホッブスのコピーキャットが、サトクリフもジョージアが殺したと見せかけて殺したことを推測する。そしてジョージアも事故ではなく、そのコピーキャットに殺されたことを推測する。FBIは、ホッブスの犯行時の身辺を洗うとアビゲイルが、父の協力者だったことがわかる。レクターからは、ウィルはかなり精神錯乱をおこし、ホッブスと同化しようとしていて、実はウィルこそがコピーキャットの可能性があるとクロフォードに話す。
ウィルは、コピーキャットは、彼が訪れる前にホッブスの家に電話をかけたものだと考える。ウィルは、アビゲイルを連れて再度狩猟小屋や家に向かう。そこでウィルもアビゲイルが父の協力者であったことを知るが、意識を消失してしまう。
クロフォードは、ウィルに対するレクターの意見が不合理な所があると思い、レクターのカウンセラーであるデュ・モーリエを訪れる。

13. Savoureux
自宅で目を覚ましたウィルは、足が泥だけであるの気づく。そして嘔吐したものから人間の耳が出てくる。レクターを呼ぶ。レクターはウィルに君は殺人者と共感するようになって、君も殺人者となってしまい、ホッブスが望んでいたアビゲイル殺しを行ったと語る。彼は警察官によって護送車に乗るが途中。逃亡を図る。そして真実を知るためにまたレクターの書斎を訪れる。そして二人でホッブスの自宅、アビゲイルの殺人現場に行く。そしてついにアビゲイルを殺したものが誰かわかる。


グルメらしくワインが良くでてくるが、銘柄は隠してある。ワインのぶどう品種のビダルが料理に使われている。

ハンニバル・レクターは、Hannibal the Cannibalとあだ名がついた。
ハンニバルは第二次ポエニ戦争を開始したカルタゴの将軍の名前でローマ帝国の最大の敵と言われた恐れられた人物の名前である。これと人肉を食べるカニバルと韻をふんでいるので、作者がこの名前にしたのかもしれない。

Hannibal season two ハンニバル シーズン2はこちら

Hannibal season three ハンニバル シーズン3はこちら

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