Sycamore Row John Grisham プラタナスの木立 ジョン・グリシャム 2013

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Sycamore Row John Grisham プラタナスの木立 2013 

Sycamoreは、スズカケノキ。これはプラタナスの木だ。
まだ日本語のタイトルが決まっていないようなので、プラタナスの木立と暫定的にしておこう。

評決のときの続編である。今まで、ジョン・グリシャムはどの小説の続編も書いていなかったのだが。彼の今回は処女作の評決のときの3年後を描いている。

セス・フバードは、日曜日の午後2時に従業員にスズカケの木の近くで会うように指示した。従業員は、そこで首を吊ってなくなっているセス・フバードを発見する。
月曜日にいつものように事務所に着いたジェイク・ブリャンスは、セス・フバードからの郵送物を発見する。その中には新しくつられた直筆の遺書とジェイクへの依頼が書かれてあった。

評決のときの続編である。その3年後のジェイク・ブリャンスを描いている。

残された遺書には、自宅の召使いである黒人のレッティー・ラングに財産の90%を残すことが書かれてあり、残りの5%は、教会に、そして残りの5%は自分の弟に送ることが書かれてあった。しかし自分の子供には何も残さないように書かれてあった。ジェイクへの依頼はこの遺言書が実行に移されるようにすることであった。

次第にセス・フバードの財産がおおよそ24億円あることがわかる。当然財産を本当は受け取るべき、子供達が裁判を起こす。


今回の裁判の流れは、まず弁護士に認められたものでなく、自分の直筆で書かれた遺書の効力の有無についてが争点。

直筆ではあることは明らかだが、遺書を書いたときには本人は正常な状態にはなく家政婦の不正な影響によって書かれたものではないかという反論。

ジェイクは、遺産相続のレティー・ラングの弁護士というよりは、自殺したセス・フバードから、自分の遺書を実効してほしい依頼によって動いてる。

レティー・ラングの夫のシーモンの酒酔い運転による死亡事故は、かなりレティーを不利な状況に陥れる。

陪審員選びについてすこしコメントがあり、陪審員についても詳しく描かれている。これはジョン・グリシャムの得意とするところだが、あまりくどくど描かれても、グリシャムのファンならよく知っているので飽きてしまう。そこうまく切り上げているかな。

ジェイクの答弁がかなり練られていていい。ここが一番の見せ所だ。

なぜセス・フバードが3年間しか働いていない黒人の家政婦に自分の財産の90%を残すのか。この理由が明らかでなかった。
それを突き止めるのが、この裁判を解決に導くのだが。
途中から、レティーの祖父が実はセス・フバードの土地の一部を昔所有していたことがわかった。そして、最終的にアンシル(セスの弟)がその秘密を知っているだろうことも分かっていた。

もう一つは、妻のカーラがジェイクにどうしてそんなに寝る間を惜しんで仕事をするのかと聞くと。ジェイクがあの、陪審員を前に弁護することがたまらないと正直に答えていることだろう。それはエゴではなるが、それが弁護士としてはたまらないのだろう。

相手側の弁護士からの仕掛けにたいしてどう反撃できるか。まずは非常に形勢がわるくなり、負けそうなところまでくるのだが、一発逆転がある。
でも今回の逆転劇は、かなり読者にも予想ができていた。

今回はルーシェンの証言のビデオを裁判に間に合わせるように持って来れるかどうかが、読んでいてハラハラするのである。これは読者は間に合うと分かっていても、彼の危なっかしい行動と酔っぱらい方で、はらはらさえている。

最終的には白人が黒人をリンチしたことを扱かっている。


今回のエピソードでは、ジェイクとクークラックス・クランの関係は片付いていない。実際に脅しについては触れられてはいるんだが。

ジェイクは以前に焼かれた自宅の代わりに、豪勢なHocutt Houseを買うことになるんだろうか?でもこれは格好のクラン一味の報復の対象になりそうだが。まだまだこの続きはりそうだ。

アメリカの裁判闘争の矛盾が描かれていて、法廷闘争が長くなればなるほど、裁判にかかる費用が莫大になり、原告も被告も結局買ったことにならない。最後に儲かるのは弁護士だけである。

裁判長のルービン・アトレーとジェイクは仲がいいんだが、裁判の広範になってジェイクがアトレーに飽き飽きして来たの描かれている。


登場人物
Jake Brignance 主人公の弁護士、前回の裁判で勝利は得たが、お金は儲かっていない。それに自分の家を燃やされているので、借金を抱えている。
Carla Brignance Jakeの妻、保育士
Hanna Brignance JakeとCarlaの一人娘

Ozzie Walls ジェイクの旧友の保安官

Lucien Wilbanks ジェイクのもと上司、今は弁護士を罷免されて引退、アル中に近い酔っぱらい、ジェイクの法律事務所のオーナー

Harry Rex いつもは、離婚紛争を専門にしている弁護士、ジェイクのよき理解者で、協力者。

Quince Lundy 会計税理士、亡くなったセスの財産の調査と管理を請け負う

Reuben Atlee ルービン・アトレー 裁判長。ジェイクの良き助言者。

Letitia (Lettie) Lang セス・フバードの家政婦、夫はほとんど家に帰ってこない。長男は殺人罪で刑務所に収監中。

Simeon Lang レティの夫。危ない仕事をしていて、滅多に家には帰ってこない

Portia Lang レティの娘。軍隊で働いていたが、家に帰って来た。ジェイクのアシスタントになる。

Seth Hubbard セス・フバードは、プラタナスの木で首をつって死んでいるのが発見される。彼の直筆の遺言書には、財産の90%を家政婦のレティーに残すと書かれていた。

Ancil Hubbard セス・ハバードの弟、消息不明。

Herschel Hubbard セス・ハバードの長男。
Ramona Dafoe   セス・ハバードの長女。
Ian Dafoe ラモナの夫。ラモナとの仲は、冷めきっているが大きな事業を運営するための多額の借金を抱えている。

Marshall Prather 保安官の補佐

Dennis Yawkey ジェイクの家に放火したクランの一味の一人

Wade Lanier メンフィスのあくどいことも何でもする弁護士

Booker Sistrunk 最初のレティーの弁護士、黒人の武闘派の弁護士

Rufus Buckley ジェイクの仇敵、前回のヘイリー事件のときの検事

Willie Traynor Hocutt Houseをジェイクに売りたがっている。


全体的な小説の感想は、もっとジョン・グリシャムには期待していたんだが、それほどわくわくするないようではなかった。アメリカではこの作品は評価が高いようだ。最後はあまりに予想できて面白くない。確かに遺産相続の裁判はそれほどわくわくすることはないは確かである。最終的な裁判後の話は、グリシャムぶしである。最近の彼の作品は裁判で勝った、めでたしめでたしでは終わっていない。

John Grisham ジョン・グリシャムのページ 

John Grisham ジョン・グリシャムのサイト http://www.jgrisham.com

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