Rebecca Daphne du Maurier/レベッカ ダフネ・デュ・モーリア

ダフネ・デュ・モーリア( Daphne du Maurier) はイギリスの小説家で、アルフレッド・ヒッチコックの撮影したレベッカと鳥の原作者として知られる。

レベッカは、マキシム・ド・ウィンターの前妻の名前。これが題名であるが、小説の中で一番多く出てくる名称はマンダレイのような気もするんだが。主人公のマキシム・ド・ウィンターの妻の名前は一度も出てこない。ただその名前がありふれた名前ではない。

主人公は、21歳で身寄りがなく、想像力が豊かである。小説もかなり主人公の空想の世界がストーリが頻繁に出てくるので、最初は注意して読んでいないと話の筋が掴めなくなってしまう。これは小説の前半に多かった、すこし稚拙な所が目立ったのだが、後半は、もっとわかりやすくなっている。

マキシム・ド・ウィンターは42歳。年下の娘を妻にする時の、プロポーズの仕方がサマになっている。誇り高く、ナイーブでそして繊細な男性。 確かにローレンス・オリビエにうってつけの役である。

1.モンテカルロでの出会い
2.結婚、マンダレイへ
3.仮装舞踏会
4.船の発見 レベッカの遺体の発見
5.マキシムの告白
6.裁判
7.レベッカの秘密
8.マンダレイ炎上

1.モンテカルロでの出会い

小説では、モンテカルロのホテルで二人は出会うのだが、映画では海岸の崖の上で出会うようになっている。ぼくもこちらの方が運命的で二人がお互いに興味を持つきっかけとなるので自然と思うが。
マキシム・ド・ウィンターに対する愛が深くなるにつれ、そして結婚を申し込まれてから、次第に亡くなった前妻レベッカに対する嫉妬が強くなって行くのが巧みに描かれている。

2.結婚、マンダレイへ

マンダレイの邸宅は、架空の邸宅であるが、原作者は、コーンウォール州のフォーイ近郊のメナビリー屋敷にすんでいた。

主人公が結婚してマンダレイに来てから、レベッカの親しい家政婦だったミセスダンヴァーズの存在を強く感じる。死後も尚レベッカが家を支配しているようだった。主人公は、まだレベッカが実際に生きているように感じられ、レベッカに対する劣等感と嫉妬が次第に強くなってくる。
レベッカの机の電話が鳴り受話器を取ると、Mrs. de Winterですかと、自分に尋ねられたのに、"いえここにはいません。もう亡くなって1年以上経っています"とうろたえて答える所は、リアルな不安があわれてて読者にもどぎまぎさせる所である。

マキシム・ド・ウィンターがレベッカがよく使っていたコッテージのあるを海岸を訪れるのを非常に嫌がるのだが、この理由は終盤にわかる。

徐々に明らかになるレベッカの正体、いままで思い描いていた、素晴らしい完璧な女性からしだいに、蛇のように狡猾で、冷徹な女性が暴きだされる。

3.仮装舞踏会

主人公が喜んで選んだ衣装は、昨年レベッカが着た衣装と全く同じであり,これを見たマキシム・ド・ウィンターの様子の変化がすごい。これはマキシム・ド・ウィンターの告白を聞くことでも非常に納得がいく。

ここで巧妙なミセスダンヴァーズの罠にはまった主人公の惨めな姿を、微笑んでいるミセスダンヴァーズが本当に怖いし、実際は主人公だけではなく、マキシム・ド・ウィンターに向けられたものであることを知ることでもっと怖くなる。

ミセスダンヴァーズはどちらかと言えば、異常な性格の持ち主である。レベッカも異常であったが、彼女を家政婦に持ち、二人でその異常な性格を高め合ったように思える。

読者は、レベッカの秘密が明らかになるにつれてよりレベッカのその存在とその強さを感じる。

4.船の発見 レベッカの遺体の発見

ミセスダンヴァーズは、やっぱり恐ろしい。主人公を絶望の中に陥れ、巧妙に、窓から飛び降りるように促す。ここはやっぱり読んでいても恐ろしい所である。

5.マキシムの告白

マキシムは、読んで行くと 頑固で偏屈、プライドが高く、レベッカがどんな女か知らずに結婚して、最終的には殺してしまう愚かな男であることがわかる。
こんな男を好きになるのがわかないが、主人公もどちらかと言えば、自己中心的、自分の思いが優先する女性のように感じるのだが。

マキシム・ド・ウィンターが、マンダレイを非常に大事にして、レベッカの悪行を見て見ぬ振りをしていた。

マキシム・ド・ウィンターはレベッカを憎んでいたが、自分が愛するマンダレイの邸宅は、レベッカが今のようにしたことを認めている。

一人の女性の心の変化も素晴らしい表現で描かれている。最初は頼りない空想力の豊かな若い女性であったが、マキシムがレベッカに対する憎悪と殺人を告白してから、彼女の心の中で強い変化があった。
まず、
マキシムがレベッカを愛していなかったことを知って、今までのレベッカに対する劣等感が消え、ミセスダンヴァーズに対する畏怖も消える。
マキシムが犯した殺人を自分も共犯として共有すること。
これから、マキシムと一緒にその犯罪を隠すことを決意する。
マキシムは、その主人公の変化を悲しむ。自分が告白したことで、主人公にあったいままで若く可憐な雰囲気が消えてしまったことを嘆くのである。

6.裁判

レベッカの不振な死に対するマキシム・ド・ウィンターの裁判は、レベッカの自殺と言うことで無罪になる。
しかし、レベッカのいとこのファベルが、レベッカの死んだ当日に会う約束をしたメモを持ってくる。これを知ったミセスダンヴァーズは、しだいにレベッカの死の秘密に感づくようになる。

7.レベッカの秘密

レベッカが何故急にやせて年老いてきたのか、そして最後にマキシム・ド・ウィンターに自分は他の男の子供を産んで最後に相続人に仕立ててやると毒づいた理由がわかる。

レベッカの病気がわかり、家に帰る途中、車の中で見る夢は何を暗示しているのだろうか。 レベッカの怨念、ミセスダンヴァーズの恐怖は消えたかのように見えた。彼女があたかもレベッカになったかのように夢を見る、しっかりと彼女の心に影を落としていることを暗示しているのだろうか、それともまだレベッカの怨念が消えていなく最後に起こることの暗示でもあるのかもしれない。

8.マンダレイ炎上
ミセスダンヴァーズは、レベッカの遺体が見つかり、しだいにマキシム・ド・ウィンターに対する疑念が深くなる。そして最後にマキシム・ド・ウィンターに対する復讐の炎が燃え上がる。遠くに見えるマンダレイが燃えている火はあたかもレベッカが流した血のようにも感じられる。

ミセスダンヴァーズが最後にどうなったかのは、小説の中では明らかになっていない。読み進めるとやっぱり主人公の名前があった方がいいんだが、いつもMrs. de Winterと呼ばれるのは不自然なのだが。

ストーリーの展開が本当に絶妙である。計算され尽くした、謎が次第に、素晴らしいタイミングで明らかにされ、そして最後を迎える。

マキシム・ド・ウィンターの姉は、道化的な役割である。この小説の中では、主人公とマキシム・ド・ウィンターの気持ちを理解できず、ただ空回りする。主人公の良き友人であるが、機転がまわらず場違いな発言が多い。

映画では、レベッカが倒れて頭を打って死んだことになっているが、小説ではマキシムが実際に銃で撃って殺したことになっている。この微妙な点が、ヒッチコックの映画にはいつもでてくる。これは映画会社の押しつけのような気もするのだが、原作の主旨を変更して総てを台無しにすることも多いのだが。

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